転校生

「はじめてひとりで観に行った映画~おひとりさま映画~」について記憶をたぐりよせていた。
わたしの場合は「転校生」だった。一人で映画館で観たのもこの映画がはじめてだが、一度観てハマッテ、二度、映画館に足を運んだはじめての映画でもある。
思えば、まだレンタルビデオが普及する以前だったし。映画は映画館で、またはテレビで観るしかなかった。それもまたノスタルジー。(ちなみにこの映画は、封切り時、二本立てだったと記憶している。「オン・ザ・ロード」渡辺裕之主演)

斉藤一夫のクラスに斉藤一美という転校生がやってくる。ひょんなことで、二人の中身が入れ替わってしまう、そういうお話。とりかえばや物語が大好きだった私にとっては、わくわくする格好のテーマだった。
今でこそ、「おとこおんな」な人はちまたにあふれかえっているが、25年前、一夫役の尾美としのりの女の子ぶりは、一見に値する。一美役の小林聡美が、とりたてて美人ではなく、クラスメートにいそうなところに親しみがわく。一夫になった一美が(ってややこしいが)やたら男らしく、頼りがいがあるところに不覚にも胸がきゅんとした。

リズミカルなストーリー展開なのに、尾道の風景のノスタルジックで、ゆったりとした映像が、相反しているのに融合していて、いつまでもこの場にいたい気持ちにさせた。挿入曲だった「タイスの瞑想曲」を聴くとそのときの気分を思い出す。大林監督の尾道三部作。だが、私には後にも先にも、これがベスト。役者とストーリー、風景、音、どれをとっても印象的だった。

今年の夏に舞台を長野に移して、リメイクが公開とのこと。(※下記参照)

ちなみに一美の兄役で出ていた在りし日の中川勝彦が、しょこたん(中川翔子)の父上であることは、最近よく聞くことだが、もう一度確認してみたいものである。

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※(07.10.22追記)
「しょこたん」効果か「中川勝彦」氏の記述を追ってと思われるが、このページへのアクセスが急に増えたようでびっくり。

上記で触れたリメイク版について追記。

「転校生 さよならあなた」(2007年/日本)は2007年6月23日に公開。
あまり反響はなかったのでしょうか?この夏、公開についてまったく気づかずじまいだった。機会があれば、観てみたい。

(ウィキペディア)↓



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